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YEBISU STYLE

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青空の下で、映画を語ろう。

『YEBISU STYLE』がお届けする初のイベント「ピクニックシネマトーク」。夏恒例の「ピクニックシネマ」に先駆けて、7月21日(日)、本イベントのプロデュースを手がけるキノ・イグルーの有坂塁さんと、モデルのはなさんのトークショウがセンター広場で開催されました。そのダイジェスト版をお届けします!

Text by Tomoko Yabe, Photos by Kaoru Fukui

YEBISU STYLE Presents
PICNIC CINEMA TALK
ピクニックシネマトーク
はな × 有坂塁(キノ・イグルー)

──最初の記憶に残っている映画はなんですか?

ys_cinematalk_1.jpegはな 十一歳のときに叔母といとこと観た『猛獣大脱走』という映画です。動物が好きなので、ポスターを見て楽しい映画なのかなと思ったんですが......。

有坂 パニック系ですよね。

はな そう。動物たちが猛獣化して、動物園を脱走してどんどん人を襲っちゃう映画だったんです。

有坂 ちなみにこの監督は、『さらばアフリカ』といういわくつきのドキュメンタリーを撮った監督の一人なので、観にくる人はB級ホラーを楽しもうという感じだったはずです。

はな はい。ポスターに引かれて、つい。叔母も当時フリーズ状態だったと思います(笑)。有坂さんは?

有坂 僕は移動映画館の仕事をしてるんですけど、子どもの頃は映画が嫌いで。

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はな え、そうなんですか!?

有坂 7歳のときに『グーニーズ』を観て、初めて映画に夢中になったんです。それでもう一度観たいと映画館に連れていってもらったら、上映していたのは『E.T.』だったんですね。『E.T.』の顔も恐いし、「もう二度と映画なんか観ない!」って映画館を走りまわったことを覚えています。

はな それが大人になってから、なぜ映画好きに?

有坂 19歳のときに、デートで『クール・ランニング』を観たんです。ジャマイカのボブスレーチームが、オリンピックに出場することになって奮闘するコメディ映画なんですが、これを観て「映画ってこんなにおもしろいのか!」と。それで次の日から、一人で映画館に行くようになりました。

──はなさんは、映画を観るために海外に行ったこともあるとか?

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はな 実は去年の夏に、『プーと大人になった僕』という「くまのプーさん」を初めて実写化した映画を、誰よりも早く観たくて、世界初公開の日にあわせてハワイに飛びました。私のプーさんへの思い入れが強すぎて、もうプーさんが動くだけで号泣(笑)。滞在中に4回観ました。有坂さんは、公開初日って大事ですか?

有坂 僕は大事にしてなかったんですけど、あるとき渋谷の映画館で、たまたま初日の初回でサーフドキュメンタリーを観たんです。そしたら、まわりにサーファーしかいなくて。みんな朝からビール飲んでる(笑)。

はな ふふふ。

有坂 それで、すごい技が繰り出されると、指笛や拍手で盛り上がるんですよ。初日って、そういうファンの「待ってました!」という熱気まで映画の思い出の中に入ってくるから、個性的な映画は初日の初回がおすすめです。

はな そうなんだ。それは、いいことを聞きましたね。

──お気に入りの監督や俳優はいますか?

はな 私、ティム・バートンがすごく好きで。『チャーリとチョコレート工場』の公開のとき、インタビューさせていただいたんです。全身真っ黒の衣装にピンクの靴下だけがチラッと見えたので、「ピンクだ!」と言ったら「秋葉原で買ったんだよ」って。そんなお茶目な場面も見られて、すごく嬉しかったです。あと、子どもの頃に空手を習っていたこともあって、ジャッキー・チェンが大好きで作品もたくさん観ました。

有坂 はなさんが1本だけ選ぶとしたら?

はな 『酔拳』かな。『酔拳』は何回見てるかわからないです。いやー、ジャッキーはすごいですよ!!

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有坂 人が変わってきましたね(笑)。昔は、日曜洋画劇場とかでもよくやってましたよね。それで翌日学校に行くと、クラスの男子はみんなジャッキー・チェンになってて。

はな 感化されてね。自分も強くなった気になっちゃうのが、またいいんですよね。

──キノ・イグルーでは氷のドームや無人島など、いろんな場所で映画を上映されています。

はな 氷のドームって、寒くないですか?

有坂 激さむです。マイナス13度なので。北海道の層雲峡温泉の氷瀑まつりで、氷のドームを映画館にしたんです。無人島の企画では100人の参加者とフェリーをチャーターして、島にあるレンガ作りのトンネルの中で、アラン・ドロンの『冒険者たち』を観ました。

はな 場所の雰囲気にあった作品を観るんですね。

有坂 映画の世界と自分がいる現実とがシンクロして、記憶の中でどっちだったかわからなくなるような、不思議な感覚を味わってほしいなと思っているんです。あと、河川敷のマルシェで小さなテントを映画館にすることもあれば、上野の東京国立博物館の野外シネマでは、多いときで6500人集まりました。

はな 6500人も!

有坂 今年9月には『この世界の片隅に』を上映します。今は、1000人入れる映画館もないので、6500人で1本の映画を観ること自体が、非日常の体験になる。そうすると何を観たかは忘れてしまったとしても、そこでの体験が深いところに残って、「映画って楽しいね」という記憶につながっていくと思うんですよね。

──7月26日からはピクニックシネマがはじまります。

ys_cinematalk_3.jpeg有坂 ピクニックシネマのときは、この広場に800人から1000人くらい集まって、坂道までいっぱいになります。夏の夕暮れから夜にかけての時間って、風が気持ちいいんですよ。いつもの映画館と違い、屋外だと開放的な気分になって、風を受けながらビールを飲んだり、のびのび笑えたりする。気持ちよく映画が楽しめる、特別な一夜になると思います。

はな 15日間15作品のラインナップも、どれもおもしろそうですね。観たことのない映画はもちろんですが、観たことのある映画も違う印象になりそうです。

有坂 二年前に、ここで『雨に唄えば』を上映したんです。その日、途中で雨が降って少し中断したんですが、有名な雨の中を踊るタップのシーンになったら、会場がすごい一体感に包まれて、最後は割れんばかりの拍手でした。終わったあとの挨拶で、「世界初の『雨に唄えば』4D上映いかがでしたか?」と言ったらまた盛り上がって。雨や風と聞くとネガティブな印象がありますが、全身で楽しむと思えば、それも野外映画の醍醐味になる。普段とは違う映画の見方にチャレンジして、楽しんでもらえたらうれしいです。

<PROFILE>ys_cinematalk_pro1.jpegはな
2歳の時から横浜のインターナショナルスクールへ通い、上智大学に進学。比較文化科にて東洋美術史を専攻。17才でモデルを始め、その後、テレビの司会、ナレーション、エッセイの執筆など活動の範囲を広げる。趣味はお菓子づくりや茶道、仏像鑑賞など、幅広い。著書に『はな、茶の湯に出会う』『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』他。

ys_cinematalk_pro2.jpeg有坂塁
2003年に中学校時代の同級生・渡辺順也とともに「キノ・イグルー」を設立。東京を拠点に全国各地のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。また、1対1で行う映画カウンセリングや、毎朝思いついた映画を投稿する「ねおきシネマ」など、大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。

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