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記念日にどうぞ。おしゃれオードヴル

昔、私はパリに住まいを持っていてパリに住んだり東京に住んだりと、落ち着きのない生活を送っていた。26年前のパリ。9月中旬のある日。
「今夜モンテーニュ通りでヴォンダンジュ(ブドウの収穫)のお祭りがあるんだけど、一緒に行かない?」
友人から電話があった。そこはオートクチュールのメゾンが並ぶシックな通り。その晩、通りに面したすべてのメゾンが顧客を招待して、ブドウの収穫を祝うのだという。
「もしかしたらすごいブルジョワマダムを見られるかもよ。美味しいワインだって飲めるかも」
甘言につられで出かけ、往来するオートクチュールな方々を眺めた

招待状なしでもwelcomeというメゾンに入り込むとシャンパーニュの小グラスを手渡された。店のドレスは趣味ではないが、シャンパーニュはうまい。一角に小さなオードヴルが並ぶコーナーがあって、こっちのセンスはとても素敵。茶巾絞りのような一品をつまんで食べたら、中にキャビアが入っていたのでびっくり。小さなキューブを口にしたら、それはフォワグラ。

後年、わが家のごはん会でのカクテルアワーでは時々、その時のアイデアをいただいている。さすがにキャビアやフォワグラは無理なので、用意するのは左記のようなものたち。

A:ガスパチョ、B:ハムと杏(缶詰)、C:アボカドとマグロ、D:オクラのベーコン巻き、E:牛しぐれ煮の巻き寿司、F:メロンの生ハム巻き、G:ウズラ卵の目玉焼き、H:かぼちゃのポタージュ、I:いわしのカナッペ、J:ミニトマトのモッツァレッラ詰め。どれも素材を合わせるだけという簡単なもの。最近ではこういうのをピンチョスという。紹介するレシピはAのガスパチョ。記念日やお祝いの火に、ビールや赤白のワインなど、お好きな飲み物とともにどうぞ! もちろんキャビアなどを奮発してもいいですのよ〜。

 

ガスパチョ
作り方(3〜4人分)

① 細かく切ったニンニク半かけとタマネギ小半個、オリーブオイル大さじ2、水50ccをミキサーにかけて乳化させる。
② ぶつ切りにしたトマト大2個(皮も種も入れる)と赤パプリカ1個、皮をむいたきゅうり1/2本と1個分のレモン汁を加えてミキサーにかける。
③ 味を見ながら塩を加え、ザルでこす。
④ 冷蔵庫で冷やす。
⑤ 赤ピーマン、きゅうり、タマネギのみじん切りをテーブルに出しておき、各自好みの量をガスパチョに入れて食べる。

 

こぐれひでこ
イラストレーター&「食」「暮らし」に関するエッセイストとして「読売新聞」「MY LOHAS / ごはん日記」などに執筆中。今年の夏はブログ「ごはん日記」を単行本にまとめるため、部屋に閉じこもっていた。夏の終わりとともにその作業も終了。どこか知らない町や村を旅したいなあ。単行本『ごはん日記』は晩秋に(株)海竜社から発売予定。

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