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ヒィ~っと辛い火鍋

 から〜い! と言って仰け反り、涙を浮かべたのは確か、高校二年の時だった。友人に連れて行かれた韓国料理店で、生まれてはじめて白菜キムチを食べた直後のことだ。水を飲むといい、お湯を飲むといい、ご飯を食べるといい。言われるままにいろんなものを口に入れてみたが、その苦しみはなかなかやわらがず。あのとき悶えた感覚を、今でもちゃんと覚えているのだから、衝撃的な事件だったのだろう。思えば当時、私の生活圏に辛い食べものは存在していなかったのだから、当然といえば当然。五十五年も前の話だ。

 それなのに今、「辛いものが食べたい。う〜んと辛いのを食べて背筋をしゃんと伸ばしたい!」なんてことを強く思ったりするのだから、時の流れというものは不思議である。人の経験というものは味覚の幅をこんなに広げてくれるのか、と驚く。

 歴史的な猛暑だった夏が去り、穏やかな風が頬を撫でるのを感じると、身体の奥からフッフッフと湧き上がる「鍋料理」への欲求。そんな時、すぐさま頭に浮かぶのは「火鍋」。から〜いスープの鍋を食べて汗を出し、夏に溜まった心身の淀みを綺麗さっぱりと流したいじゃありませんか。内モンゴルの羊肉料理、重慶の辛い鍋、四川の辛い鍋など、火鍋の起源に関しては様々あるらしいが、共通しているのは「辛いこと」。

 キノコがいっぱい入った火鍋、美味しそうと思い、キノコ鍋の火鍋版を作ることに。しかしワタクシ、火鍋を作った経験は2度だけ。しかも市販の「火鍋スープの素」を使ってだ。簡単に美味しくできたのだが、今回はスープから作ってみようと決意して、ネット上の「火鍋レシピ」を参考に、いいとこ取りして私流レシピにした。大仕事になるだろうと覚悟して始めたのだが、意外に簡単、旨くて辛い。鍋の具材はなんでもオッケー。好みのものを何でも煮て、ヒ〜ハ〜言いながら食べてね!


火鍋
作り方(3~4人分)
1. 鍋にサラダ油(大さじ4)と鷹の爪(4本)、花椒(小さじ1)を入れ、弱火で香りがたつまで炒め、鷹の爪と花椒を取り出しておく。
2.  [1] の油に生姜とニンニク(各1片)のみじん切りと豆板醤(大さじ2)と粉唐辛子(韓国産・大さじ1.5)と [1] で取り出した鷹の爪と花椒、斜め切りした長ネギを加えて軽く炒める。
3. 鶏がらスープ(1200ml)を加えて強火にし、煮立ったら紹興酒(大さじ2)、醤油(大さじ3)、塩(小さじ1)を加えて味を整える。
4. 斜め切りしたニンジン(1本)と豚バラ肉(400g)、青梗菜(1株・葉と茎に分けて、茎の方を縦に切っておく)、キノコ類(えのき茸、しめじ、ヒラタケ、舞茸など、好きな種類を好きなだけ)、大きめの一口大に切った絹ごし豆腐(1丁)を加えて、火が通ったものから食べる。ヒィ~っと辛い。

こぐれ ひでこ
イラストレーター&「食」「暮らし」に関するエッセイストとして「読売新聞」「MY LOHAS/ごはん日記」などに執筆中。。いやはや、半端じゃない暑さの夏でした。今まででイチバン、秋の訪れが待ち遠しかった。涼しくなったので、もうちょっと活動的になりたい。奈良へ行こうかな。飛鳥、白鳳、天平の仏像たちに会いたい。そうだ、奈良へ行こう!

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