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ウー・ウェンさんの旬をいただく家庭料理。

生きるための智慧と哲学がたくさんつまっている料理研究家ウー・ウェンさんの家庭料理。とっておきの旬のレシピと食への思いをうかがいました。

Photos by Tetsuya Ito

松茸餃子


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材料(20個分)
皮:強力粉 100g/水 55ml/打ち粉(強力粉) 適量
餡:鶏ひき肉(モモ) 200g/松茸 80g/A[酒 大さじ1/醤油 大さじ1/2
  粗塩 小さじ1/4/こしょう 少々/ごま油 大さじ1]

作り方
[ 1 ] ボウルに強力粉を入れて水を2~3回に分けて回し入れながら、そのつど箸で混ぜ粉にまんべんなく水を吸収させる。全体に水がなじんだら手でまとめ、表面がなめらかになるまでこねる。生地を丸くまとめてボールに入れ、濡れ布巾をかけて30分ほど寝かせる。

[ 2 ] 生地を寝かせている間に餡を作る。松茸は石つきを除き縦に裂いたあと粗みじん切りにする。鶏ひき肉にAを表記順に入れ、その都度混ぜる。最後に松茸を入れてよく混ぜ合わせる。

[ 3 ] 寝かせた生地を2等分し、それぞれ直径2㎝ほどの棒状に伸ばし、各10等分に切り分ける。切り分けた生地に少量の打ち粉をふり、手のひらで転がすようにして打ち粉をまぶす。生地を手のひらで軽く押して平らにし、左手で生地を90度ずつ回転させながら、右手でめん棒を転がし直径8㎝径ほどの円形に伸ばしてく。

[ 4 ] 皮に餡を包んで成形する。皮は乾きやすいので一度に伸ばさず、5枚ほど伸ばして餡を包んでいくのがポイント。たっぷりの熱湯で茹でて完成。

ys56_cook02.gif(左)縁を外側へ軽く引っ張るようにしながら、めん棒を上下させて生地を伸ばす。
(右)お湯の気泡が細かくなり、皮がぷっくり膨れてきたら茹で上がりの合図

かぼちゃの酸辣湯


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材料(2~3人分)
かぼちゃ 150g(正味)/しめじ 100g/卵 2個/水 4カップ
黒酢 大さじ2/醤油 大さじ1/塩 小さじ1/2/こしょう 小さじ1/2
片栗粉 大さじ1(水 大さじ2で溶く)/ごま油 大さじ1/2

作り方
[ 1 ] かぼちゃの皮と種を除き一口大に切り、しめじは石つきを除き小房に分ける。

[ 2 ] 鍋に1と分量の水を入れて火にかけ、煮立ったら弱火にして蓋をし7~8分煮る。黒酢、醤油、こしょう、塩で味をつける。水溶き片栗粉でとろみをつけて、溶いた卵を流し入れ、ごま油で香りをつけて完成。

ys56_cook04.gif(左)秋の味覚きのこは食物繊維が豊富なので、腸内をきれいにしてくれる。
(右)煮立った鍋に溶き卵を回し入れれば、何もしなくても卵がふわっと浮いてくる。


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家族の健康と幸せを守るために
毎日作るごはん、それが家庭料理です。

 料理研究家として、母として、丁寧でシンプルな家庭料理を大切にしてきたウー・ウェンさん。 「人間は生きていくために食べることをやめることはできません。そして母は、子供を育てていくためにごはんを食べさせていかなければいけません。家族の健康と幸せを守るために毎日作るごはん、それが家庭料理です。日々の生活の中から生まれ、脈々とつながる家庭の知恵の結晶。つまり家庭料理とは、考え方そのものでもあると、私は思います」

 ウーさんの母国である中国では 〝医食同源〞の思想が生活に根付いており、バランスの取れた毎日の食事で病気を予防し、体を整えようという考え方はとても身近だそう。 「なかでも旬の素材を食べることは、とても意味があります。例えば、今回食材に選んだ秋の味覚、きのこ。暑い夏を終え身体に疲れが出やすい秋は、来たる長い冬に備えて栄養を蓄える大切な時期。でも新しい栄養をとり入れるためには、溜まっている古いものを捨てる必要があります。食物繊維豊富なきのこをたっぷり食べることで、身体をお掃除してくれるのです」

 たくさんの種類のきのこが出揃う秋の市場で、今回餃子の具材に選んだのはきのこの王様、松茸です。 「だって、日本人も松茸をご飯に入れて炊くでしょう? それとおんなじ。皮に包んで旨味も香りも閉じ込めるから、凝縮された風味が口の中いっぱいに広がって、すっごく美味しいのよ! それに餃子は皮が炭水化物、具材は野菜とタンパク質なので餃子一つでご飯とおかずを兼ね備える優れものの完全食なのです。バリエーションは無限大。餃子の中に旬の旨味をぎゅっと包み込む。それこそ、本来の餃子の醍醐味です」

 流れるような手さばきで次々に美しいヒダの餃子を包みながら、ウーさんは続けます。 「料理は、どうしたら素材の持ち味を生かせるか、それは、シンプルに付き合うことだと思うのよ」
 今回のもう一品酸辣湯も、かぼちゃの甘みを生かしたシンプルなもの。旬の素材はとても生命力が強く味も香りも深く、美味しい。だからかぼちゃの甘みを調和する黒酢の酸味と、上質なごま油だけで美味しいスープになるのです。お酢は体の疲れも取ってくれるので、残暑の厳しい秋の食卓にぴったりです。

「旬の素材の持つ力強いエネルギーがそのままカラダにいき渡り、心も体も満たされて、表情も性格も穏やかになります。心を満たす食卓って、実はそういうシンプルなことだと思うのです。だからこそ、食べ物への感謝の思いを忘れずにいたいですね」

ウー・ウェン
中国北京生まれ。料理研究家。シンプルな素材と調理法で作る料理が評判。「料理を通じて日本と中国の架け橋になりたい」との想いから東京と北京でクッキングサロンを主宰。最新著書「シンプルな一皿を究める 丁寧はかんたん」が発売中。http://www.cookingsalon.jp

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