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WE ARE アーバンファーマーズ!

都会で耕す楽しさとは?収穫の喜びとは?都市農業の"先輩"たちにうかがいました。

Text by Tomoko Yabe, Photo by Shin-ichi Yokoyama, Photo by Kaoru Fukui

農を介して都市にコミュニティを。

アーバンファーマーズクラブ 代表 小倉崇さん

ys55_people01.gif恵比寿ガーデンプレイス「EBISU TOMATO CHALLENGE」の畑にて。5月に植えた苗がすくすく成長中。

 屋上やベランダで野菜や米を作り収穫する。そんな都市型農的ライフスタイルを主導する団体、アーバンファーマーズクラブの代表を務める小倉崇さん。でも、そもそもなぜ「都市」で「農業」なのでしょう? 

「きっかけは、東日本大震災でした。家族を関西に避難させ、数日後に東京に戻ったらスーパーにもコンビニにも何もなかった。物流が止まったら一発でアウト、という都市の現実に危機感を覚えたんです」。以来、「自分で食べるものは自分で作らないと」という考えに。その後様々な出会いがあり、渋谷の繁華街にあるビルの屋上を借りて屋上農園を始めることになったそう。

「巨大プランターを特注して、まずは水菜やルッコラといった初心者向け葉物野菜から始めました。これがうまくいったので、今度は根菜をやろうと」。しかし、植えたニンジンは、虫にやられて全滅。また、カラスやネズミ、スズメなどの都市ならではの獣害に悩まされたことも。「地域の人や友人を巻き込んで、ペットボトルでお米を作った時は、収穫間際のお米がすっかりスズメに食べられてしまって。がっくりきましたね」。

 とはいえ「うまくいってもいかなくても農業は楽しい」と小倉さん。「都会のど真ん中でも美味しい野菜が採れることに感動するし、何より農は人と人をつないでくれる。農業を介したコミュニティが都市に広がったら素敵じゃないですか」

 実際、小倉さんの活動に参加した人が次々とベランダ菜園を始めているそう。「都市生活者も無意識に土や緑を求めている気がします。週末に農作業で汗を流す。そんなライフスタイルも悪くないんじゃないかな」

ys55_people02.gif渋谷・道玄坂のビルで手がけていた屋上農園。稲作にもチャレンジした。
写真提供:アーバンファーマーズクラブ

アーバンファーマーズクラブ
この4月本格始動した市民団体。恵比寿ガーデンプレイスと共に「EBISU TOMATO CHALLENGE」(p11参照)を主導するほか、渋谷区内各所でアーバンファームを運営。2020年東京五輪までに2020のアーバンファームを開設することを目標に活動中。http://urbanfarmers.club

畑は生きた勉強の場。

恵比寿じもと食堂 代表 末岡真理子さん

ys55_people03.gif末岡さん(写真左)と元茂さん(右)。元茂さんはファッション関係のお仕事とあって、農作業姿もおしゃれ!

 渋谷区立加計塚小学校裏の階段を下りると、秘密基地のような広い緑地が見えてきます。ここは渋谷区恵比寿区民農園。この一角に、「恵比寿じもと食堂」の農園があります。

「恵比寿じもと食堂」は、子どもから大人まで「食事」を通してつながれる場所をと、末岡真理子さんが発起人となって2016年2月に開設。月2回、地域のボランティアの方々がごはんをつくり、みんなで食卓を囲みながら遊んだり学んだり、自由な時間を楽しんでいるそうです。

 2017年4月からは、「食堂で使う野菜を自分たちでも作りたい」と農園もはじめることに。当時身重だった末岡さんをサポートしたのは、ボランティアで来ていた元茂富美恵さんでした。「私も野菜づくりは初めてでしたが、実家が農家ということもあって血が騒いでね(笑)。まさか恵比寿で畑ができると思わなかったから、ワクワクしました」。

 見よう見まねで始めた農園でしたが、周囲の助けもあり、今ではここが食材の大切な供給源に。陽当たりのよい畑では一年を通してさまざまな野菜がよく育ち、訪れた日はジャガイモ、ニンジン、ナス、プチトマトやピーマンが元気に育っていました。また、子どもたちも種まきから水やり、収穫、調理まで、一緒に参加しているのだとか。

「野菜の花や旬を覚えたり、子どもだけでなく私たちも生きた勉強になっています」。末岡さんが言葉を続けます。「なにより、採りたての野菜はすごくおいしい。ここで嫌いだった野菜が食べられるようになった子もいて。子どもたちが野菜を〈おいしい!〉って食べてくれるときが一番うれしいですね」。

ys55_people04.gif(写真左)子供たちも収穫に参加。 (右)採れた野菜は美味しい料理に。
写真提供:末岡真理子

恵比寿じもと食堂
2016年2月に立ち上げられたプロジェクト。恵比寿4丁目にある『恵比寿新聞』内にて月2回開催される。子供はもちろん、大人も集って共に料理をし、食卓を囲むことでご近所づきあいを深めていく場に。子供にとっては食育の場にもなっている。www.facebook.com/jimotoshokudo/

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