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ひんやり冷たい白ワインと。鯛のタルタル

 白身魚のお刺身が食べたいと思い、鮮魚店へ出かけたら、天然ものと養殖ものの鯛の刺身が並んでいた。ちょっと前まで、天然と養殖の値段には大きな違いがあったけれど、近頃はそれほどでもない。たまには養殖の方が高値ということだってある。養殖技術も日進月歩。世の中の動きが速すぎて、ぼんやりしていると置いてきぼりを食うこと必至だ。

 さあて、どっちにしようかなあ、と考えあぐねていたら、魚屋のお兄さんが近づいてきて「養殖ものがおすすめだよ」と言った。その理由。鯛が美味しいとされるのは晩秋から桜の季節。でも養殖の鯛は、季節を問わず安定して美味しいのだという。

 あ、じゃあアレ作ろう! その時フッと頭に浮かんだのは「真鯛のタルタル」。ひんやり冷たい白ワインと一緒に食べたら美味しいよ、きっと。

 タルタルといえば、カキフライなどに添えるタルタルソースあるいは細かく刻んだ生の牛肉や馬肉に卵黄や薬味などを混ぜ合わせて食べるステーキタルタルが浮かぶだろうか。私の頭に浮かんだのはステーキタルタルの海鮮版といったような料理。

 実は私が編み出した料理ではない。去年の夏、ちょくちょく出かけるイタリア料理店で食べ、こりゃあうまい! と感心して、律儀にまねしたものなのである。シェフに教えてもらったわけではない。食べてみれば、作り方など簡単にわかってしまうほどシンプルなのだが、そのわかりやすさがきっぱりしていて爽やか。酸味はレモン、塩気はアンチョビ、香りはパセリとエシャロット、コクはオリーブオイル。シンプルな料理だけれど、締まった肉質の鯛に薬味たちがコラボして、実に美味しい。

 しかしこれだけでお腹をいっぱいにしよう、などと考えてはいけない。食前酒とともに軽い前菜にいただくのがおすすめ。お腹がリラックスしたら意気揚々と主菜へ進もうじゃありませんか。ボナペティ!


真鯛のタルタル
作り方(3~4人分)
1. 鯛の刺身用1柵をさいの目切りにして、軽く塩をふり、円筒形の容器に詰めておく。
2. パセリをみじん切りする。
3. エシャロット(1~2本)は薄くスライスする。
4. ケッパー(大さじ1)とアンチョビ(2~3枚)はみじん切りにして混ぜ合わせておく。
5. レモンを4つ切りする。
6. お皿の中央に鯛を器から出して載せ、オリーブオイルをかける。
7. 鯛の周りに [2] ~ [5] を配置する。
8. まずは鯛にレモンを絞って混ぜ合わせる。
9. 続いて [2] ~ [4] を加えて混ぜ合わせて食べる。

こぐれ ひでこ
イラストレーター&「食」「暮らし」に関するエッセイストとして「読売新聞」「MY LOHAS/ごはん日記」などに執筆中。先日夫が風邪を引いた。激しい咳が続き、彼だけではなく私も眠れないので、別室に隔離したのだが、風邪が治ってもこっちの部屋に戻ってこない。家庭内別居も悪くない。そう思い始めたところ。

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