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食べるプロセスも楽しいアーティチョーク

 我が家の庭にはアーティチョークの大きな株が二つあり、初夏には芸術作品のような形のつぼみをつける。

 初めてアーティチョークを食べたのは(見たのも)半世紀前のパリ。第一印象が強烈すぎて、今でもあのとき食べたアーティチョークの食べ方から抜け出せない。ひよこが最初に目にしたものを親だと思ってしまう「刷り込み」......あれと同じだ。

 アーティショー(仏語)アーティチョーク(英語)カルチョフィ(伊語)。和名は朝鮮アザミというが、今ではアーティチョークと言った方が通用するのかも。これは地中海原産のアザミの一種。若いつぼみを食用にする。若いとはいえ、つぼみはソフトボールくらいで結構大きい。

 それなのに、食べられるのは花托の部分(イラストB)とガクの一部(イラストA)だけ。蒸す、ゆでる、揚げるなどの調理をして食す......のだが、私の場合「刷り込み」の後遺症ゆえ、初めて食べた「ゆでる」調理法を半世紀も続けている。

 作り方はページの下に記したように簡単なのだが、問題は食べ方。実に奇妙な楽しい食べ方なのである。

 ガク(イラストA)を外し、黄色のソースをつけ、軟らかな部分(点線で示した辺り)を歯でしごくようにして食べる。何枚も何枚も何枚も食べ続けると、トゲトゲの部分が現れる(イラストC)。順調に育てばここがアザミの花になる部分なのだが、食べられないので綺麗に取り除く。その先に現れるのがハート(イラストB)と呼ばれる花托の部分。山登りで言えばここが頂上である。

 食感も味わいもユリネやイモ類に似た優しい感じ。コクと酸味が混じり合ったソースが贅沢感をアップさせる。食後の皿にはガクなどの残骸がどっさり。大仕事をやり終えたときと同じような達成感で満たされる。

 味だけでなく食べるプロセスも楽しいこの野菜、どこかで見かけたら挑戦してみて欲しい。


アーティチョーク
作り方(4人分)
1. アーティチョーク(4個)の軸を切り落とし、先の棘のある部分を切り落とす。
2. レモン汁を絞った、たっぷりのお湯の中でアーティチョークを約20分ゆでる。
3. ソースを作る。卵黄(2個分)とレモン汁(大さじ2)、塩(少々)、胡椒(少々)を混ぜ合わせる。
4. バター(40g)を湯煎して溶かしておく。
5.  [3] を湯煎にかけ、 [4] のバターを少しずつ加えながら、マヨネーズくらいの固さになるまで混ぜ合わせる。ソース作り終了。
6. 食べ方はテキストを参照してください。ハイライト直前に現れる花の部分(トゲトゲしている)はくれぐれも食べないように。

こぐれ ひでこ
イラストレーター&「食」「暮らし」に関するエッセイストとして『読売新聞』『MY LOHAS/ごはん日記』などに執筆中。三浦半島に移住してよかったと春夏秋冬思っているが、青い空にポカリポカリと浮かぶ白い雲、みずみずしい緑の山、海上を走る何艘ものヨット、そよ風などに囲まれて過ごす海辺の生活はやっぱり初夏がイチバン。自然の気持ちよさを、思う存分謳歌しておこうと思う。

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