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ふんわり優しい絶品つみれ鍋

 暑い暑いと文句を言っていたら、突然気温が下がってしまい、今度は寒い寒いと文句を言っている。今年は秋らしい日が少なかった。残念。しかし寒いからこその楽しみはある。

 それは鍋料理である。すき焼き、しゃぶしゃぶ、水炊き、寄せ鍋、あんこう鍋、牡蠣の土手鍋、きりたんぽ鍋、牡丹鍋......ああ、鍋料理の種類をあげ始めたら、なかなか終わらない。冬の鍋は何にも勝る食事。美味しいし楽しいし、コミュニケーションが深まる。

 万年金欠病だった学生時代。私の暮らす四畳半に友達を呼んで、寄せ鍋を作って食べた。具材は鶏肉と白菜とネギと椎茸と豆腐。もちろん材料費は割り勘である。具材の中でもイチバン人気だったのは鶏肉(とはいえ手羽先)。値段の安い手羽先でも肉は肉である。その頃私たちの学友はみんな貧乏で、肉というものに飢えていた。だから「あんた、肉、それ三つ目だよ!」なんてね、そんな言葉も飛び交いながらパクパクと、いやガツガツと鍋を囲んだものである。あの頃、鍋といえばすき焼きか寄せ鍋しか知らなかった。今ならもっといろんな種類の鍋料理を、寄せ鍋より廉価な鍋を作れたかもしれないが、半世紀前の懐かしい思い出。

 急に寒くなった十月の中旬。今夜は鍋にしようと思い、鮮魚店に出かけた。店に入ると、丸々太ったマイワシが並んでいてすごく美味しそうだったので購入。つみれ鍋を作ったら、大騒ぎするほど美味しかったので紹介する次第。

 野菜などは何を入れてもオッケーなのだが、つみれには多少こだわりがある。つみれは団子にできない程度、お好み焼きの生地くらいの硬さに仕上げること。ユルユルのつみれをスプーンで流し込んで固まったら食べる。つみれはふんわりと優しく、イワシの旨味が野菜にもスープにも流れ出して、絶品としか言いようがない。ぜひ作ってみて!


イワシのつみれ鍋
作り方(3〜4人分)
1. 昆布と鰹節でだし汁をとる。
2. シメジ、ミニチンゲンサイ、豆腐は食べられるだけ、食べやすい大きさにして準備する。
3. ネギの白い部分を長さ約15センチに切ってから、縦に細く切る。
4. イワシ(6〜8尾)の頭と尾、背びれなどを切り取る。
5. 手開きして骨を取り除き、包丁でトントントンと細かく刻む。
6. ネギ(1/2本)と生姜(1片)をみじん切りする。
7.  [5] と [6] 、日本酒(大さじ2)、味噌(大さじ2)、片栗粉(大さじ1)をボウルに入れて混ぜる。
8.  [1] のだし汁を土鍋に入れて火にかけ、日本酒、塩、薄口醤油で、薄味に味付けし、火にかける。
9.  [2] と [3] の具材を鍋に入れる。
10. つみれをスプーンですくって鍋に入れ、煮えたら野菜類と一緒に食べる。

こぐれ ひでこ
イラストレーター&「食」「暮らし」に関するエッセイストとして「読売新聞」「MY LOHAS/ごはん日記」などに執筆中。帯状疱疹になってしまった。子供の頃かかった水疱瘡のウイルスが神経節に隠れていて、免疫力が低下したり、ストレスを感じたり、高齢になった時に復活して帯状疱疹を発症するんだって。私のウイルスはすでに還暦を超えている長寿なヤツだ。早くどこかへ行っておくれ!

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