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第13回 長島有里枝

写真家として歩む女の人生

《わたしたちの部屋(朝)》〈SWISS〉より 2007年 発色現像方式印画 東京都写真美術館蔵

 いわゆる《女の子写真》と呼ばれるブームが席巻した時代があった。気付けばもう20年も前のこと。当時、アーティストへの登竜門となっていたさまざまな賞を、10代、20代の女性写真家たちが相次いで受賞し、メディアで大きく取り上げられた。作家本人にも注目が集まり、彼女たちに憧れてカメラを手にした若者が街にはあふれた。

 若い女性が撮った写真であればなんでも《女の子写真》になり得たかといえば、必ずしもそうではない。自身への視線やプライベートが表れていることが暗黙のうちに求められていたし、真実を、もしくは自分自身を暴き出さなければならないという宿命に准じたという意味で、彼女たちはシンプルに写真家であったというべきだろう。

 長島有里枝はこの嵐のようなブームの、主役の一人だった。2001年には写真界の芥川賞と称される木村伊兵衛写真賞を受賞しているが、しかし作家人生の醍醐味はその後に道程にこそあったはず。「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」展は、これまでの半生を網羅した内容で、初期を代表するセルフポートレイトのシリーズから、女性のライフコースに焦点を当てた新作までが一堂に会するという。結婚、出産、子育てを経験し、女性として人生を見つめながら、同時に絶えず写真家でもあり続けた。そのしなやかさに触れることもまた、この展覧会を訪れる人たちの喜びとなるに違いない。

長島有里枝
そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。

会場 東京都写真美術館 2階展示室
会期 9月30日〜11月26日
TEL 03-3280-0099
URL https://topmuseum.jp

文・富田秋子
フリー・エディター&ライター。(展覧会カタログ制作、雑誌記事執筆、Webサイト制作等々)。長島有里枝作品に興味を持たれた方は、第26回 講談社エッセイ賞受賞作の『背中の記憶』(講談社)もおすすめです!

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