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これを考えた人はえらい! うなぎのひつまぶし

 うなぎを食べるのは日本だけ。そう思い込んでいたけれど、スペイン・バルセロナのバルで食べたおつまみが「うなぎ」だと聞いた時には驚いた。オリーブ油の中でうねっている細長くて白い魚は「うなぎの稚魚」だというのだ。その頃オリーブ油の中でジブジブと煮込む調理法「アヒージョ」のことも知らなかった。40年余り前の話である。オイルの中で泳ぐうなぎの稚魚を「うどんみたいだね」といいながらペロペロと食べてお腹を壊した。油の大量摂取による腹痛だ。

 ポルトガルの大西洋沿岸の町で食べた「うなぎのシチュー」は黄色系のスープにうなぎのぶつ切りがドド~ンと入っていて、卓を囲んだ一同(日本人4名)、「うわっ!」と声をあげた。全員、輪切りのうなぎを見たことも食べたこともないのだ。恐る恐るスープを飲んでみると、ウコンの味がする。うなぎのぶつ切りを頬張ると魚肉は柔らかく、スープの旨みがしみていて美味しかった。

 フランスでは赤ワイン煮、イタリアではトマトソースの煮込みなど、ヨーロッパでは煮込み料理で、アジアでは唐揚げや蒸しもの料理として食べることが多いらしい(というのは、私はまだ食べたことがないので)。

 とまあ貧しい他国のうなぎキャリアしかない私がこんなことを言っちゃうのも乱暴なんですが......うなぎは日本風の食べ方がイチバン。うなぎは蒲焼に限るでしょ。

 市販のうなぎを用意して、二人で食べるつもりだった先日の夕方。そろそろ夕飯準備を開始するかな、というそのとき、友人夫婦がやってきた。あっ、うなぎの量が足りない。そこで私は考えた。ご飯とうなぎを混ぜてしまえば足りるんじゃないか。導かれた結論は「うなぎのひつまぶし」だ。二人分だったうなぎの蒲焼、3つの食べ方を楽しみながら、とても美味しいご馳走になったのである。この食べ方を考えた人はえらい!

うなぎのひつまぶし
作り方(3〜5人分)
1. 米3合を普通の水加減で炊く。
2. 市販の蒲焼(2本)にお湯をかけて塗ってあるタレを流す。
3. 蒲焼をアルミホイルで包み、フライパンで3分間中火にかけ、幅約2cm幅に切っておく。
4. 蒲焼についているタレを温める。
5. 鍋に4カップの水と昆布を入れて火にかける。沸騰直前に昆布を取り出し、削り節を入れて火を止め、そのまま5分おく。ザルでこして、酒、塩、薄口しょうゆで味を整える。(茶漬けの出し汁)
6. おひつに炊きたてごはんと切った蒲焼、タレを入れて混ぜる。
7. 1膳目は [6] のまま山椒を振って食べる。
8. 2膳目は [6] に刻みネギと刻み海苔とワサビを載せて食べる。
9. 3膳目は [8] に [5] の出し汁をかけてお茶漬けとして食べる。

こぐれ ひでこ
イラストレーター&「食」「暮らし」に関するエッセイストとして「読売新聞」「MY LOHAS/ごはん日記」などに執筆中。「高齢者は暑さを感じにくくなる」と聞いて、「あっ」と思った。毎夏、汗っかきで大変だったのに、今年はあんまり汗が出ない。これってやっぱり歳のせいか?

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