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第12回 中村ハルコ、ほか

「平成」はフラットな時代?

中村ハルコ〈光の音〉より1993-98年 インクジェット・プリント

 ある時期、メディアでやたらと登場していた"フラット"という言葉が気になっていた。その使い方は例えば、「今はフラットな時代だから」や「全体的に表現がフラットになってきているよね」みたいな感じだ。おそらく、モノや情報が平準化されている、もしくは諦観が世間を覆っているといった状況を指していたのだろう。

 こうした時代感はそのまま「平成」に対する一般的なイメージにも重なるが、同時に、多くの者たちが共有している"もどかしさ"を感じずにいられないのだ。

 「平成をスクロールする」は東京都写真美術館が総合開館20周年記念のコレクション展として展開している写真展シリーズ(全3期)。2期目に当たる夏期「コミュニケーションと孤独」展には、北島敬三、菊地智子、大塚千野、屋代敏博、中村ハルコ、やなぎみわ、郡山総一郎、石内 都、ホンマタカシの計9作家が出展の予定だ。写真や映像の作品を通して時代精神を検証する、そんな意義深い展示になるはずだが、さらに興味惹かれるのは世界を理解しようと奮闘する作家たちの葛藤だ。

 実は激動の「平成」時代。携帯電話やインターネットの普及、9.11や東日本大震災など、全てはこの30年以内に起きた事象だ。世界はフラットになったのかもしれないが、変化のスピードは確実に速くなっている。それでも現実に、人のあり方の変容に食らいついていこうとする写真家たちの情熱は、おそらくこの展覧会を見る一番の醍醐味になるのだろう。

総合開館20周年記念 TOPコレクション
「コミュニケーションと孤独」 平成をスクロールする 夏期

会場 東京都写真美術館 3階展示室
会期 7月15日~9月18日
TEL 03-3280-0099
URL http://topmuseum.jp

文・富田秋子
フリー・エディター&ライター。「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」(〜7/23、シャネル・ネクサス・ホール)、「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971- 2017-」(7/25〜、東京都写真美術館)などなど、この夏、目白押しの荒木経惟展は要チェックです!

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