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旨味は濃厚、作り方は簡単。プーパッポンカリー

 数年前の12月、タイのチェンマイを訪れた。街にはえんじ色や黄色の法衣を着たお坊さんたちがたくさん歩いていて、噂どおりの仏教国であることを「本当だ〜」と確認。

 市場の生花店で若年僧が蓮のつぼみのブーケを買っていた。恋人にあげるのだろうかと思いながら見ていると、次から次へと若年僧がやってきてブーケを買っていく。店の人にジェスチャーで「???」マークを発したところ、仏様へのお供えだという答えが返ってきて(英語でテンプルと言った以外はジェスチャーでの会話)、納得。私も買ってホテルの部屋に飾り、朝夕、ブーケに向かって手を合わせた。ブーケを私だけの仏様と見立てたのである。

 「(なるべく)郷に入っては郷に従う」これは私の旅のモットーである。 通りかかったお寺に入り、金ピカの仏様にお参り。細い道でお坊さんに出会えば、道を譲る。もちろん昼も晩もタイ料理を食べた。タイ料理はタイ料理は辛くて甘くて時に酸っぱくて...複雑怪奇の美味しさ。大いに堪能した。

 12月24日の夜、予約してあったタイ料理レストランのドアを開けると、出迎えてくれたのはミニスカートのサンタクロース姿の女子。ん、仏教国でクリスマスイブ? タイ料理にサンタクロースはミスマッチだ。この店ダメかもね〜、とガッガリ。

 ところがどっこい、ソムタム、ポーピアトート、トムヤムクン、パッタイなど料理がとても美味しかった。特に記憶に残ったのはプーパッポンカリー(ワタリガニのカレー炒め)。辛さ控えめながら、カニから出た旨みエキスとココナツミルクと卵、カレー粉などが絡み合った旨味の度合いは濃厚で蒸したもち米と一緒に口に運ぶと一瞬至福の境地になる。しかし旨味は濃厚だが作り方は簡単。特にセロリとカニの相性がいい。みんなで集まるごはん会にプーパッポンカリーを中心にしたタイ料理はいかがかしら? というオススメです。

プーパッポンカリー(ワタリガニのカレー炒め)
作り方(4人分)
1. ワタリガニ2杯を用意。甲羅を開き、足の付け根にある灰色のひだひだを除く。
2. 甲羅は切らずにそのまま残し、味噌は別の容器に保存。カニを食べやすい大きさに切る。
3. 長ネギ2本とセロリの茎2本は斜め切りに、タマネギ1/4個は2cmの角切りに。
4. ボウルに卵2個と2のカニ味噌、そして醤油、オイスターソース、砂糖(以上各大さじ1)、ラー油、カレー粉(以上各大さじ2)、片栗粉小さじ1、ココナツミルク200ccを入れて混ぜ合わせておく。
5. フライパンにサラダ油とニンニク1片のみじん切りを入れ、香りが出るまで炒めたらカニを入れ、水を少し注いで蒸し炒めする。
6. カニに火が通ったらタマネギを入れて炒め、次にネギとセロリを加えて炒める。辛いのが好きな人はここで唐辛子を投入。
7. 最後に4を回し入れて火にかけ、固まったら火を止めて、甲羅と一緒に器に盛る。
8. パクチーを散らして完成。

こぐれ ひでこ
イラストレーター&「食」「暮らし」に関するエッセイストとして「読売新聞」「MYLOHAS/ごはん日記」などに執筆中。6年ぶりにパリを訪れた。3年前に亡くなった友人の墓前でやっと手をあわせることができた。「ごめんね。こんなに遅くなっちゃって。あっちでも忙しく動き回っているの?」と話しかけて、心が楽になった感じ。

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