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クルマ 好きのルルーシュが撮った美しき恋愛映画。

 スタントマンの夫を亡くしたアンヌ(アヌーク・エーメ)と、妻を自殺で亡くしたカーレーサーのジャン(ジャン=ルイ・トランティニャン)。男と女はそれぞれの子供が通う寄宿学校で出会い、恋に落ちる......。「フランスが誇るラブストーリーの不朽の名作が50年ぶりにデジタル・リマスター版で甦る」のである。久々に観たが、アヌーク・エーメの色あせない美しさよ!

 フランシス・レイによるテーマ音楽、ピエール・バルーによるあまいフレンチ・ボッサなどもあいまって、恋愛映画のマスターピースといわれる本作だが、クルマ好きの筆者にとっては「クルマ映画のマスターピース」でもある。

 レース経験のあるジャン役のトランティニャンが実際にサーキットで練習、本当にモンテカルロ・ラリーに挑戦、助手席で監督のクロード・ルルーシュがカメラを回すという「シネマ・ヴェリテ(実験)」になっているのだ。しかも、今季あ同時上映される8分48秒の短編『ランデヴー』(76年)もクルマ好きには幻の映画といわれるドキュメンタリー。早朝のパリの街をルルーシュが運転するクルマにカメラをくくりつけドライバー目線の風景を撮ったもので(ちなみに、運伝していたのはメルセデスで、音のみフェラーリの音を被せている)、ワンテイク、ノンストップ撮影のため、セーヌ川沿いの幹線道路からモンマルトルのサクレ・クール寺院まで、信号無視、マックス200キロの「違法運転」で爆走する。

 しかしなぜそんなに飛ばすのか。それは『男と女』にも通底する「走り屋の恋」。『ランデヴー』は『男と女』の「エピソード0」なのだ。

48cinema1.jpg©1966 Le Films 13

男と女《製作50周年記念 デジタル・リマスター版》
同時上映:短編映画『ランデヴー』デジタル・リマスター版
[公開中]
監督:クロード・ルルーシュ 音楽:フランシス・レイ
出演:アヌーク・エーメ/ジャン=ルイ・トランティニャン/ピエール・バルー
場所:YEBISU GARDEN CINEMA(恵比寿三越となり)
TEL:0570-783-715 http://gardenplace.jp/cinema

文・辛島いづみ
フリーの編集者&ライター。スチャダラパーと一緒にインディーズ雑誌「余談」を作ったり、雑誌「GINZA」で連載中の「岡村靖幸 結婚への道」を担当したり。発売中の『いとうせいこうを探せ』も編集。12月発売予定の単行本3冊を抱えて奮闘中。

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